釣りをするにあたり、魚の立場に立ってみるのも大事だと思い、本を読みました!
その本に書いてあったことを備忘録がてらまとめていこうと思います。
まずは魚の目の見え方全般についてです。
魚は仕掛けが見えている!?
魚が仕掛けを判断するのは「仕掛け(釣り糸)」と「背景(水中)」とのコントラスト差によって判断します。ブルーギルを用いた実験によると、なんと魚はこのコントラスト感度が人間の55倍とのこと!
ちなみにこの実験は光で作った図形を魚に識別させて、光の弱さを徐々に弱くしていくという実験方法。人間には光っていることさえわからない程度の光にも、ブルーギルはしっかりと反応したとのこと。
但し、この「55倍」は単にコントラスト識別感度のみを計測した数字で、実際に水の透明度等を考慮すると、魚は水中で人間の約2倍の範囲が見えているとのこと。
もちろん、仕掛けと太陽光の位置関係等の条件によって結果は変わってきますが、魚は人間より広い範囲が見えているということは明白ですね。
また先述の実験装置で魚の最小識別時間(≒動体視力)を計測したところ、人間の約30倍の結果が得られたそうです。素早く動くルアーや餌に魚がアタックできる理由も納得できる結果です!魚、おそるべし!
見えている魚はつれない!?
よく見えている魚はつれないと言いますよね。この理由としては、私たちが魚を視認できるということは、
水中の魚も同様に私たちをバッチリ視認できており警戒しているからです。
私たちが水中の魚を見えやすくする際には偏向グラスを付けて水面のぎらつを抑えるますが、なんと魚の眼にはこの偏向グラスの機能が備わっています。
これに加えて水面表層の小波によるチラツキは水中に深く潜るほど逓減されるようで水深5mくらいにいる魚にはボートに乗っている釣り人などが鮮明に視認できています。
そして魚は「鳥の急襲」などに備えて水上の動く物体を基本的には警戒する習慣があります。
(但し落ち葉など経験的に襲ってこないと判断した物体に対しては警戒心は低くなる。)
これらを踏まえると、見えている魚が釣れない理由に納得できますよね。。。やはりなるべく岸から離れて魚が私たちを視認しないように対策する必要がありそうですね。
なお騒音についても同様で、魚が居着いているその場の環境で聞きなれない音に対しては警戒しますが、聞きなれている音に対しては警戒心が薄まるそうです。
魚の視力は?
魚の視力はカツオやマグロなどの大型の表層魚で0.3~0.6程度、サバやアジなどの沿岸魚は0.1~0.2程度です。魚の視力一覧は以下になります。それぞれ見えやすい方向があるようですね。身近な魚の視力ランキングは、マハタ⇒ゴマサバ⇒マサバ⇒真鯛になります。
ちなみにブラックバスの視力は「0.17」、見えやすい方向は前方だそうです。
川村軍蔵(2014) 『魚の行動習性を利用する釣り入門』講談社
では、先述した仕掛けや人が視認できることと矛盾しているのでは!?と思うかもしれませんが、そうではありません。
魚は眼内にある水晶体を前後に動かしてピントを合わせます。
そして網膜に対象物をバッチリ映し出すことが出来るのです!
しかしその網膜内に存在する視細胞の数が人間などに比べると少なく、視力がどうしても低くなってしまうのです。(画素数の低いカメラのようなものです。)
視力の定義は対象物をどれだけ詳細に把握できるかです。あくまで魚は「視力」が低いだけで、網膜上に対象物はバッチリ写っているので仕掛けや人を視認(=存在を把握)できています。
これまであえて「視認」という言葉を用いたのはそのためです。「魚が私たちの細部までバッチリ見えている!」というわけではないんですね。
余談ですが、広い範囲を撮影できる魚眼レンズというレンズがありますが、魚の眼は特に視野が広くなる機能は備わっていません。あくまでも馬などの草食動物のように眼が体の側面についているから広い範囲が見えるだけです。なので魚眼レンズでなく、馬眼レンズでもよかったわけです。
まとめ
今回はここまでにしますが、まだまだ記載する事柄があるのでこれからも随時更新していきます!
参考にした書籍は以下です。
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